負けられない。ついに最終戦を迎えた、‘04 MAD WOLVES。
ここまで1勝3敗の道工。そしてここまで0勝4敗の札幌大学カブス。互いに今日、負けることがあれば最下位が決定。一足先に2部優勝を決めている北医大との入れ替え戦が決まってしまう。無事に1部に帰ってこられるかわからない「入れ替え戦」への片道切符をどちらが手にしてしまうのか。
午後からの学園対北大、「優勝決定戦」を控えての「最下位決定戦」。スタジアムは異様な雰囲気に包まれていた。 |
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最終戦、決戦の地は厚別競技場。一昨日から北海道を覆った低気圧のため、降雨が予想されたものの雨は降らず、天候は曇り。しかし気温はなんと15度を下回った。観客席にも冬用のコートを着込んだ観客が目立つ、そんな一日だった。
最終節の対戦校は「札幌大学カブス(以降札大)」。ここまで4敗と、札大も波に乗れていないのは事実。両校オフェンスが不発続きで、ここまでのタッチダウン獲得数は道工が1.25本、札大が0.25本。道工、札大共に得点力不足に悩まされている。
札大は様々な体型からのパスを中心としたオフェンスを展開しており、ロングのパスが決まれば即、タッチダウンもある。一発の怖さは十分にあるオフェンスである。
一方、デフィエンスの方も様々な体型を使用。大型ながら素早いDL、ドックを多用し、プレッシャーを与えるLB。攻撃的なフロントに対し、手薄なセカンダリー陣には心配を隠せない。どちらのオフェンスが奮起するかがカギとなる試合が予想された。
約4ヶ月前、‘04 MAD WOLVESはここ、厚別競技場から始まった。あの時ここでは負けている。しかし選手達には気負いは無い。セレモニーを終え、フィールド中央に集まり、主将 安藤の掛け声で、秋空に向かって高々と人差し指を突き上げたMAD WOLVES。2004年、最後の戦いは幕を開けた。 |
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札大のキックで試合開始。キックボールをキャッチしたのは、今シーズン2度のリターンタッチダウンを獲っている高野名(#84)。好リターンにより、道工は自陣40ydからの攻撃が開始される。
気になるファーストプレイ。QBはなんと垂水(#9)ではなく小野田(#7)だったのだ。実は小野田、学園戦で右肩を負傷してしまい、その後は垂水がQBとしてそしてパンターとして活躍してくれていたのだが、その垂水が練習中に負傷。試合を欠場せざるを得ない状況になってしまっていたのだ。パスとパント。2つの飛び道具を失った道工。厳しい試合展開が予想されていた。
右肩の激痛を抑え、QBに帰ってきた小野田。しかしこの男が後にビックプレイをチームにもたらすこととなる。
さぁファーストシリーズ。SB高野名(#84)FB古家(#39)、そしてSB安藤(#6)のランを鮮やかに決めた道工OFF。ファーストダウンをあっさりと1回、2回と重ね、あっという間に札大陣40yd付近までボールを運んだ。
流れに乗りたい道工OFF。ここでQB小野田はランを選択。キャリアーは高野名。しかしこのプレーで流れは大きく変わってしまう。
ハンドオフミスにより、うまくボールをホールドできなかった高野名。タックルと同時に、ボールは無常にもふところから転がり落ちたのだ。リカバーは札大。道工はミスから先制のチャンスをフイにしてしまうのである。
このミスに乗じ、序盤から様々なシフトでDEFを惑わす札大OFF。しかし道工DEF、この状況に慌てることは無かった。むしろピンチを楽しむかのように盛り上がるDEF陣がフィールドを駆け回っていた。
CB兼任の高野名(#84)がファーストプレイのパスをカット。これをきっかけにDL兼任の古家(#39)の好タックルなども重なり札大OFFを押し返す道工DEF。気付けば4thダウン残り15yd。札大はパントを余儀なくされてしまうのだ。
50yd付近からの道工OFF。QB小野田(#7)のオプションプレーで4thダウン残り1ydの局面を迎える事となる。もちろんギャンブルを選択する道工OFF。ランプレーが決まり、1stダウンは更新されたと思われたその時だった。審判はWRに入っていた畠山(#25)にホールディングの反則があったことを発表。これにより4thダウン残り11ydとなってしまう。ショットガンでギャンブルを敢行するが、これもコールミスでオフェンスラインのフォルススタートが取られてしまい、結局パントを蹴ることとなってしまう。チャンスを活かしきれない道工OFFにベンチ、スタンドからはため息が漏れる。
続く札大OFFも道工DEFが奮起。相手の反則もあり、ゲインを許さない。札大の好パントキックにより、自陣20ydから始まった道工OFF。小野田のオプションプレーがロスタックルに仕留められると、その後全く続かなかった道工OFF。攻撃はあっさり3回で終わり、パントを蹴る道工。
山田(#55)のスナップは軽く上にそれた。この日パンターに入っていたのは舘合(#16)。慌ててボールをキャッチして、蹴った舘合。しかしこれを見逃さなかった札大DEFはこれをブロックしてしまうのである。好パントブロックにより、道工陣20ydからの攻撃をもぎ取った札大。ゲームは一気に札大に傾き始める。
この流れを止めたのは、自分のスナップミスでピンチを招いてしまったLB山田(#55)だった。札大OFFはパスをチョイス。しかしこれを山田はQBサックに仕留めるのだ。
このプレーで息を吹き返した道工は、続く攻撃をノーゲインに抑え、4thダウンを迎える。ここで札大はパントを選択。この違和感をいち早く察知したのがDL古家(#39)だった。札大はパントフェイクのRBへのダイレクトスナップというスペシャルプレーを敢行。これに反応した古家はこのプレーをロスタックルに仕留め、ターンオーバー。…かと思われたこのプレー、古家のフェイスマスクの反則を取られ、自陣10ydからのDEFを強いられることとなってしまったのだ。
続くファーストダウン。このチャンス、確実にモノにしたい札大OFFはダイブのP・Aをチョイス。ボールは札大TEの手の中に。タッチダウンと思われた瞬間だった。
このパスをSF舘合(#16)が好タックル。ボールはTEの手からこぼれ落ち、パスは失敗。舘合の好プレーにより、ピンチを脱したかのように見えた道工だったが、この後のパスが成功。ここで第1Qが終了。第2Q、道工は3rdダウン残り1ydとエンドゾーンを背負っての第2Qへとゲームは突入していくのであった…。 |
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第2Q、ゴール前1ydからの3rdダウンDEF。札大のパスは失敗に終わり、4thダウンは札大はフィールドゴールを選択。このキックを札大は外してしまうのである。
このピンチを乗り切った道工。自陣20ydからの攻撃を再開。ここからの反撃が期待された。
FB立花(#22)のダイブ、そしてSB伊藤(#12)の中央突破で自陣35ydまでボールを進めた道工OFF。流れは確実に道工に傾きかけていた。
迎えた2ndダウン。ここでQB小野田は今試合、初めてのパスを投げる。満足にあげられない負傷しているその肩で、ややサイドスロー気味に投げ出されたパスは札大ディフェンスエンドのハンズアップした手に触れてしまうのである。勢いを無くしたボールはフラフラと宙を舞う。このボールをキャッチしたのは札大LB。このターンオーバーにより、道工は再びピンチを招いてしまうのだ。再三のチャンスをものに出来ない道工。動揺は隠せない。
このピンチにまたしても奮起したのはLB山田(#55)だった。
道工陣35ydからの札大OFF。1stダウンの攻撃を山田が今日2度目のQBサックに仕留め上げ、嫌なムードを払拭、迎えた3rdダウン残り3yd。山田のファインプレーに応えるかのように、ブラストをDL古家(#39)が好タックル。好守で札大に攻撃を許さない。
自陣7ydからの道工OFF。DEFの奮起に応えたい場面だが、期待とは裏腹にここでもアサイメントミスがあり、プレーが成り立たない。簡単にパントを迎えてしまう。
エンドラインを背負ってのパントキック。「かなり緊張しましたよ。」と、後に語ったのはこの日、垂水に変わりパントを蹴り続けた舘合(#16)。ここでも好パントを見せるが、札大リターナーが好リターン。道工DEFは自陣25ydからのDEFを強いられてしまう。
ここでも道工DEFが踏ん張る。DL古家(#39)のQBサックを見せ、スクリーンパスをLB安保(#46)がノーゲインに抑える。不甲斐ない道工OFFを煽るかのように好タックルを連発。ここでも札大OFFに1stダウンの更新を許さない道工DEF。OFFの爆発を静かに待ちわびる。
しかしここでも道工OFFは噛み合わない。ここまで、誰かがアサイメントミスをしてしまい、小野田がロスタックルを受けてしまうといった状況が多く見られている。このシリーズでもこれが見られた。結局1stダウンの更新は出来ず、パントを蹴ることに。これをパンター舘合のパントキックは距離が伸びず、道工陣29ydからの札大OFFが始まってしまう。道工、依然フィールドポジションの悪い状況が続いてしまう。
札大の攻撃、ここで札大はCB畠山(#25)を攻め立てる。
畠山サイドへのパスを中心に攻撃を組み立てた札大OFF。道工はロングパスを通され、一気に道工陣7ydまでボールを運ばれてしまう。迎えた1stダウンゴール、ここも畠山が狙われる。畠山サイドへのパスがエンドゾーンに投げ込まれた。札大WRがキャッチ、と思われたが札大WRはこれを落球。先制のチャンスは失ったものの、まだ1stダウン。道工は厳しい状況にあるのは変わらない。続く2ndダウンゴール。ここで札大OFFはランプレイを選択。ここでランプレイを待っていたかのように好プレーを見せたのがDLパートリーダーの蝦名(#69)だった。スナップと同時にスクリメージラインを割った蝦名。蝦名はそのまま相手RBハードタックルを見舞ったのだ。この好プレーに沸く道工サイド。しかし迎えた3rdダウンゴールでまたもや畠山が狙われた。
エンドゾーン奥に投げられたパスはあっさり札大WRの手の中に納まってしまう。タッチダウンである。
札大のトライフォーポイント。ここでDB高野名(#84)がキックを好ブロック。札大の得点を6点に抑える。
道工 0−6 札大 道工は一番獲りたかった先制点を、ここで奪われてしまう。残り時間は1分少々。
札大のキックで試合再開。ミスキックでショートしたボールは佐藤(#3)がキャッチ。道工は自陣40yd付近からの攻撃を迎える。
このシリーズで前半が終るだろう。なんとしてでもここで1本獲って同点、逆転へと繋げたい道工。しかし期待とは裏腹にSB安藤(#6)へのオプションプレーは不発。これで事実上前半戦終了。次のプレーで古家にダイブを入れる。ここで時間を使い果たしてハーフタイム。
道工 0−6 札大 前半戦を6点ビハインドで折り返してしまうのである。
不完全燃焼。そんな言葉が選手を覆う。嫌な雰囲気を払拭するかのように4年生が激を飛ばす。
「こんなんじゃ終れないだろ!今日が俺達の最後の試合なんだ!!今日やらないでいつやるんだよ!やろう!!」
主将安藤(#6)がチームを盛り立てる。
「狙われてるな〜、畠山。いいじゃん、後半見せてやれ!」畠山に監督高幡が語りかける。そう、負けたままでは終れない。2年生畠山はじっと後半のリベンジを決め込んでいた。 |
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この悪天候にもかかわらず、沢山の方々が応援に来てくださいました。1年間、会場に足を運んでくれた皆様、本当にありがとうございました。今試合も応援に来てくれた皆様の写真を載せたいと思います。
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道工のキックで試合再開、この日のキッカーも澤田(#29)。ここも素晴らしいキックを見せてくれる。札大陣25yd付近からの札大OFFで後半戦が開始された。
迎えた2ndダウン、札大OFFはスクリーンパスがHIT。しかしこれをCB畠山(#25)が好タックル、ロスタックルに仕留めるのだ。監督高幡の忠告に余分な力が抜けたのか、明らかに前半とは違う「畠山」がフィールド上に立っていた。
しかし続く3rdダウン。ロングパスが道工を襲う。CB高野名を振り切った札大WRの手の中にボールが飛び込んだ。ロングパスを決められ、独走状態、になるはずだった。ここで予想もしなかった事態にフィールドはおろか、観客席も唖然としてしまう出来事が札大に起きてしまうのだ。
ボールをキャッチした札大WR。独走状態に入り、ボールを持ち替えた瞬間だった。なんとボールが腕から零れ落ちてしまったのである。転がるボールをリカバーしたのはCB高野名(#84)。まさかのターンオーバーに沸く道工、沈む札大。これで一気に流れが傾いたのは明らかだった。
自陣30ydからの道工OFF。迎えた3rdダウンの攻撃。QB小野田(#7)はSB伊藤(#12)にピッチ。オープンへのランプレイだと思われたこのプレイは実はフリーフリッカー。このボールを伊藤は前線のWRに放った。キャッチしたのはWRに入っていた畠山(#25)ここでの畠山のファインプレー。そして相手の反則にも助けられ、ボールは瞬く間に札大陣30ydまで運ばれるのである。
こうなれば道工ペース。ランプレイが止まらない。QB小野田(#7)の4thダウンギャンブルでのオプションプレイが成功などもあり、ボールは札大陣5ydまで。ここでFB古家(#39)が魅せた。
迎えた2ndダウンキャリアーは古家。エンドゾーン手前でタックルを受けた古家はタックラーごとエンドゾーンに飛び込んだ。笛と同時に主審の両手は真上に上がった。
道工、ここで待望のタッチダウン。まずは同点。迎えたトライフォーポイント。このキック、センターの安保(#46)が痛恨のスナップミス。ここでホルダーの小野田(#7)はスクランブル。左オープンサイドを駆け上がり、エンドゾーンに飛び込んだ。しかしこれは僅かにゴールラインの手前で外に押し出されていたのである。トライフォーポイントは失敗に終ってしまう。
道工 6−6 札大 この失敗がこの後どう影響するか。不安は残るタッチダウンだった。
道工のキックで試合再開、札大は自陣30ydからの攻撃が始まる。
ここで道工の作戦がビタリと決まりだす。オーバーラッシュにより、物凄いプレッシャーが札大QBを襲う。全くパスの放れない札大。投げようとしても誰かがフリーで襲ってくる。結まともにパスの投げられなかった札大。ホールディングの反則も重なり、パントを蹴り終わった頃には大きくフィールドポジションを下げてしまっていた。道工は50yd付近からの攻撃をもぎ取った。翌シリーズ途中、試合はいよいよ第4Qへと突入していくのである…。 |
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このシリーズ、オプションプレーのピッチミス等もあり、1stダウンを更新できなかった道工OFF。4thダウンのパントキック、舘合(#16)の好パントに、札大のイリーガルブロックの反則が重なり、札大は自陣10ydからの攻撃を強いられる。
依然、パスの決まらない札大OFFは3rdダウンに。ここでオープンへのトスプレイを、後半、負傷退場のLB安保に代わりLBで出場していた澤田(#29)がロスタックルに仕留め、ゲインを許さない。札大のパントキックはあまりフィールドを回復できなかった。道工OFFは札大陣45ydからの攻撃を獲得。このチャンスを逆転に繋げたい。
このシリーズ、2年生のFB立花(#22)、SB伊藤(#12)両RBが道工に逆転の流れを大きく引き寄せる。
まず立花(#22)がダイブで中央突破、1stダウンを獲得すると、それに応えるかのように次はSB伊藤(#12)が快足を飛ばす。カウンターで相手タックラーを鮮やかにかわし、これも1stダウンを更新。ボールは札大陣25yd付近まで一気に運ばれる。
FB古家(#39)のダイブを挟み、ここでもう一度ボールはSB伊藤の手中へ。このランプレイでも、1stダウンの更新線を越えてタックルされた伊藤、ゴール目前まで詰め寄った道工だったが、このプレイでSB安藤(#6)にホールディングの反則が取られてしまう。
いつもならここで流れが止まってしまう道工OFF。しかしこの日は違った。何よりOL陣が気持ちよくプレーしているのがサイドラインからも手に取るようにわかった。こうなったOLは手がつけられない。迎えた2ndダウンリピートで立花のダイブ、3rdダウンで伊藤のオープンをまくるトスが効果的に決まり、4thダウン残り2ydの局面を迎える事となる。ここで札大がタイムアウト、緊迫した試合展開は一時、文字通り水入りとなる。
試合を動かす大一番。キックで3点か、ランで1stダウンを更新、あくまでタッチダウンを狙うのか。フィールド、観客席に緊張がはしる。
ハドルが解け、スクリメージラインに向かうオフェンスライン。小野田の手にはキックの時に使われる、通称「チョコ」は握られていない。小野田はセンターの後ろへ、体型はフレックス。ギャンブルである。
「セットーっ!!」の小野田のコールに、会場は静まり返った。
スナップと同時にQB小野田(#7)は立花へのハンドオフ、にはいれずに、右方向へ駆け上がった。そしてここで、これ以上は無い!という絶妙なタイミングでSBにピッチ。ピッチと共にタックルを浴びた小野田。痛みを抑え、激痛の走る右腕から投げ出されたボールをキャッチしたのは伊藤(#12)。右オープンサイドを駆け上がった伊藤は札大陣4yd付近でタックルを受けた。小野田の好プレーにより、ギャンブルは成功。道工は札大陣4ydからの攻撃をもぎ取ったのだった。
こうなれば流れは止められない、迎えた3rdダウンゴールで、QB小野田(#7)がオプションプレーからエンドゾーンに飛び込んだ。残り時間4分少々での逆転劇に、道工ベンチは歓喜に沸いた。
しかしこれで気が抜けてしまったのか、ここで思わぬミスが出てしまう。
迎えたトライフォーポイント、キッカー澤田(#29)は極度の緊張からか、キックを右にそらしてしまうのだ。
道工 12−6 札大 手放しで喜べない状態が続く道工、追加点が欲しい。
道工のキックで試合再開、澤田のキックはミスキック。札大は自陣40yd付近からの攻撃が始まった。
1stダウンの札大の攻撃。ここで先ほどから引き続き、LBに入っている澤田が自身初となるQBサックを見せ、札大をなんと10ydも引き下げる。勢いは完全に道工、と見られていたこの試合、流れは思わぬ方向へと動き出す。
迎えた2ndダウンの攻撃、ここでCB高野名(#84)がパスインターフェアの反則を取られてしまう、これにつられるかの様にCB畠山が立て続けにパスインターフェアの反則を取られる。札大は一気に道工陣35yd付近までボールを進めていた。
一気に同点、逆転へと近づけたい札大、パス失敗をはさんで迎えた2ndダウン。右オープンサイドへのトスと思われたこのプレーはフリーフリッカー。ボールは逆サイドを走っていた札大QBにヒット、しかしこれにいち早く気付いていたのはCB高野名(#84)。先ほどのミスを払拭するかのような好タックルを見せた高野名は、このプレーをロスタックルに仕留めたのだ。
これで流れが止まった札大は、翌3rdダウンでもホールディングの反則を取られ、大きく陣地を下げてしまう。4thダウンギャンブル、札大QBの投げたパスは高野名が好カット。ターンオーバーで攻撃権を道工に譲ることとなる。残り時間は2分。
50yd付近からの道工OFF。1stダウン、2ndダウンとランを重ねる道工に対し、1プレー毎にタイムアウトを使い、時間の消費を最小限に食い止める札大DEF。3rdダウン残り4yd。札大にはもうタイムアウトは残されていない。ここで1stダウンを更新すれば勝利がグッと近づく道工。ここでQB小野田(#7)の選んだプレイはオプションプレー。小野田は1stダウンの更新線めがけて飛び込んだ。
笛と同時に審判は大きくファーストダウンのジェスチャー。喜ぶ道工に沈む札大ベンチ。残り時間は1分。道工は勝利へ大きく近づいたのだ。
残り時間は1分少々、後はランプレイで時間を使うだけ。のはずだった。ついにあの男が見せてくれた。
2ndダウンの攻撃、SB安藤(#6)はボールを持ち、鮮やかにスクリメージラインを割ると、一人、二人とタックラーをかわし、独走状態に。ゴール前、札大DBに追いつかれるも、DBを引きずり、エンドゾーンへと飛び込んだのだ。
安藤は立ち上がり、主審の真上にあがった両手を確認し、雄叫びをあげた。
長かったこの一本。普段、表情を表に出さない安藤が雄叫びをあげた理由。これには深い訳がある。
今シーズン開幕戦の前日。実は安藤、練習中に肩の靭帯を負傷してしまっていたのだ。北星戦、サイドラインで唇を強く噛み締めた。
「自分が怪我してしまったばっかりに…。」主将としての責任感、主力RBとしての責任感。
様々なプレッシャーが彼をがんじがらめに縛っていたのだ。
何かから解き放たれたかのように、未だ満足にあげられない肩を、大きく上に振り上げ、雄叫びを上げた安藤。
今シーズン、ラストのオフェンスのプレーは、RB…いや、苦しかった今シーズン、‘04
MAD WOLVESを引っ張りつづけた主将安藤(#6)の35yd独走タッチダウンだった。
道工 18−6 札大 このダメ押し追加点で確実に勝利を確信した道工サイド。残り時間は数十秒。
札大に反撃の余力は残っていなかった。結局道工のラッシュを攻略できなかった札大OFF。札大QBの放ったラストパスは、無情にもフィールドに落ち、転がった。ここでタイムアップ。
道工 18−6 札大 道工ベンチ、観客席が大いに沸いた一瞬だった。
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最終戦、試合終了後の気持ちとしては、まず安堵感が湧き上がってきたことが正直なところです。負ければ入れ替え戦という状況の中、そして前半先制されて折り返したという状況の中で逆転し、勝利を掴みとることが出来たのは本当に大きいと思います。‘05 MAD WOLVESにも繋がる試合だったのではないか、と。
しかし、目指しているレベルはもっと上。われわれ4年生が成し得なかったことを後輩達に託したいと思います。 |
| 主将 安藤(#6) |
最終戦、試合終了後の気持ちとしては、まず安堵感が湧き上がってきたことが正直なところです。負ければ入れ替え戦という状況の中、そして前半先制されて折り返したという状況の中で逆転し、勝利を掴みとることが出来たのは本当に大きいと思います。‘05
MAD WOLVESにも繋がる試合だったのではないか、と。
しかし、目指しているレベルはもっと上。われわれ4年生が成し得なかったことを後輩達に託したいと思います。 |
| OFFキャプテン 小野田(#7) |
今まで練習してきたことがやっと結果として出せた試合だったと思います。札大対策がビタリとハマったのが全て、かなりいいかたちで試合を進められたと思います。本当にいい試合でした。 |
| DEFキャプテン 舘合(#16) |
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キッキングキャプテンながら、キッキングの重要さをあらためて思い知らされたゲームでした。パントカバーで良いフィールドポジションをDEFに与えられなく、申し訳なく思っています。
トライフォーポイントで3本全て外してしまったのはキッキングチーム全員の気の緩みですね。失ったのは3点、このことを軽く考えずしっかり反省し、来シーズンに繋げて欲しいと思います。 |
| キッキングキャプテン 古家(#39) |
結果が全て。本当に良くやってくれたと思う。特に後半の小野田のオプションピッチ。あれに尽きる、最高のプレイ。来年に繋がる試合になった。今は4年生にお疲れ様と素直に言ってあげたい。 |
| ヘッドコーチ兼オフェンスコーチ 鈴木 |
最終戦にしてやっと「攻めるディフェンス」を見ることが出来たと思う。DEF幹部である舘合、佐藤、蝦名には1年間ついてきてくれたので本当に感謝したい。 |
| DEFコーチ 相馬 |
フィールドポジションが悪く、チームにピンチをもたらせてしまったのはキッキングの責任。しかし舘合は垂水の穴を良く埋めてくれた。今日の隠れたMVPと言っても過言ではないと思う。トライフォーポイントの3失点はいただけない。あれでは上へは上れない。全ての面でやり直し、来年を迎えたい。4年生は本当にお疲れ様でした。 |
| キッキングコーチ 高橋 |
チームの原動力だったキッキングが、負傷者の続出によって今までの期待が出来ない状況で、ようやくOFFが結果を出せた。特に小野田は非常にプレッシャーのかかる場面できっちりとリーダーとしての役割を果たしてくれた。
いつもにもまして安定していたDEFも、記録に残るような結果(トータル79yd)を残せた。時間はかかったが、ようやくチームとしてひとつになれたのではないだろうか。ノブ、よくやった!! |
| 監督 高幡昌宏 |
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こうして最終結果、2勝3敗の同率4位で今シーズンの幕を閉じた‘04 MAD WOLVES。「北海道王座」を目標に、1年間走り続けてきた彼らにはとても悔しい1年になったのかもしれない。事実、この試合で引退する4年生は悔しいだろう。
しかし、チームに残る1・2・3年生は忘れないだろう。4年生の見せてくれたアメリカンフットボールを、試合中の頼もしい4年生の姿を。そして選手・MG、皆で泣き、皆で笑ったこの10週間を。
4年生の残してくれた「情熱」を引き継ぎつつ、もう‘05 MAD WOLVESは動き出している。
来年、さらに強くなってフィールドに帰ってくるMAD WOLVESを心から期待している。 |
| (高橋優和) |
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