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午前8時。ユニフォームに着替え、テーピングを終えた選手達が円山競技場のトラックに一人、そして二人とおりてくる。キャッチボールをしたり、ストレッチをしたり。どんどん集まってくる選手達。その表情は様々である。

午前8時半。主将 尾越のハドルで、選手全員が集まった。一言、二言、選手達に檄を飛ばす尾越。それに大声で応える選手。そうしてゆっくりと、静けさの残る円山競技場のトラックを全員で走り出した。

今年度から、選手主体のチームに生まれ変わった‘05 MAD WOLVES。新しいMAD WOLVESの挑戦。秋に差し掛かった北海道で、最も熱く、そして過酷な10週間が幕を開けようとしていた…。

この日の試合会場は、お馴染みの円山競技場。天候は曇り。周りを囲う木々は、いまだ鮮やかな緑色を保っている。

先週までの猛暑とはうって変わり、この日の最高気温は23℃。少し肌寒いくらいの気温だが、時折顔を出す太陽がフィールドに立つ選手達を暖めてくれる。比較的、フットボールを行うには丁度良い天候の一日となった。

気になる初戦の相手は、北海学園大学(以降、学園と略します)。大型ラインと能力の高いデイライトランナーから繰り出されるパワープレーでタッチダウンを量産する学園。それに加え、能力の高いLBが率いるエイトメン・フロントは次々と相手のオフェンスを潰していく。攻守バランスのとれた素晴らしいチームである。

開会式を終え、グランド練習を終えた選手達。ベンチに集まり、最後の確認のミーティングを済ませ、サイドラインに整列した。セレモニーに向かう4人は、主将の尾越(#71)をはじめとした、高野名(#84)、佐藤(#3)、安保(#46)。セレモニー後、がっちりと握手を交わし、ハドルへ戻った4人。自分達を鼓舞するかのように、雄叫びをあげ、人差し指を高々と空へ掲げた。

‘05 MAD WOLVESの挑戦が、ついに、幕を開けた瞬間であった。

・ ついにキックオフ。先制点を決めるのは…。

セレモニーでのコイントスに勝ったのは道工。前半リターンをチョイスしたため、学園のキック、道工のリターンで試合は開始された。

道工陣25yd付近からのファーストシリーズ。ファーストプレーはRB澤田(#29)の中央突破、しかしこれはノーゲイン。

rdダウンでのプレーでQB垂水(#9)は澤田へのオープンのランを試みる。しかし、ここでピッチミスが発生してしまい。ロスタックルへ。道工OFF、ファーストシリーズは3回の攻撃であっさりと終了してしまう。

迎えた4thダウン。パンター垂水のキックは、思うように飛距離が伸びない。学園のリターンも手伝い、道工は自陣35ydからの学園OFFを迎えることとなってしまうのだ。

対する学園OFFは、ランプレーを3回重ねるものの、1stダウンの更新までは至らなかった。学園はフィールドゴールを選択。

このフィールドゴール、学園は外してしまう。失点を免れた道工は、自陣25yd付近からの攻撃を再開することとなる。

序盤戦、道工OFFは、学園DEFのチャージ、スラント等に翻弄され、精彩を欠く攻撃が続く。くわえて、垂水のパントキックでも、フィールドポジションの回復にまでは至らず、常に自陣を背負っての攻撃、守備が続くといった、厳しい時間帯が続いていた。

そうして迎えた道工陣30yd付近からの学園OFF、1stダウンの攻撃だった。

学園のプレイアクションパス。ボールはDBを引き離した学園WRの手へ収まり、そのままエンドゾーンへと運ばれてしまったのである。

道工 0−6 学園

キックは外したものの、欲しかった先制点を奪われるかたちとなった道工。一刻も早く同点、逆転へとつなげたい。

学園のキックで試合再開。高野名(#84)の好リターンにより、道工は50yd付近からの攻撃をもぎ取ることとなる。

このシリーズ、WR高野名へのパスが決まり、この試合、初めての1stダウンの更新に成功。流れに続きたいところだったのだが、フォルススタートの反則等があり、1stダウンの更新には至らなかった。そしてここでクォータータイム。第2Qへと試合は突入するのであった。
手に汗握る第2Q。学園の追加点か、道工が盛り返すのか…

第2Q、開始直後のパントキック。学園のリターナーは、道工DEFを一人、そして二人かわし独走状態に。パンターの垂水(#9)がなんとかサイドラインの外へはじき出したものの、ロングゲインを許してしまった道工。学園は、50yd付近からの攻撃権をもぎ取ることとなってしまう。

開始直後のビックプレーということもあり、このクォーターも、先にモメンタムをつかんだのは学園。我慢の時間帯が続く。

しかし、なんとか凌いでほしいという想いとは裏腹に、学園の重量ラインが目を覚ましてしまう。

直後の1stダウン、ランであっさりフレッシュを獲得すると、道工DEFのタックルミス、オーバーパシュート等も手伝い、わずか3回の攻撃でボールは道工陣10yd付近まで進められてしまう。

結局、この勢いを止める事は出来なかった。学園RBはまたしても道工エンドゾーンを割ってしまう。

道工 0−12 学園 

学園、追加点を重ねるも、ここでもキックを外してしまう。この取りこぼしが、後にどう響いてくるのだろうか。

学園のキックで試合再開。ここでも高野名(#84)が好リターン。道工は学園陣45yd付近からの攻撃を迎える。

stダウンで、WR高野名へのショートパスがヒット。続く2ndダウンでは、RB澤田(#29)が中央突破。これが約20ydのロングゲインをみせ、道工は一気に学園陣20yd付近まで攻め込むこととなる。

勢いに乗りたい道工。翌1stダウンで、QB垂水はパスをチョイス。DLのパスラッシュから逃れ、スクランブルしながらランニングスローで放った一球は、無情にも学園DBの胸の中へ。インターセプトである。これにより、学園が、自陣10ydからの攻撃権を奪取。近くて遠いエンドゾーン。道工、反撃の狼煙はまだあがらない。

攻撃権は奪われたものの、フィールドポジションは悪くは無い。このポジションで試合を運びたい道工だったのだが、未だ精彩を欠く道工DEFは、学園の猛攻を止めることが出来ないでいた。

中央のラン、そしてオープンへのラン。続けざまにロングのパス…。この3回の攻撃で、ボールは瞬く間に進められていく。気付けばボールは道工陣25yd付近まで。道工、ここ一番でいつも守備が出来ない。

結局、ここでようやく相手の攻撃を止めることが出来た道工。相手のフィールドゴールトライは失敗したため、失点には至らなかったものの、道工は自陣20yd付近からの攻撃を強いられてしまう。

波に乗れない道工OFFは、1stダウンでのエクスチェンジミスを皮切りに、パスを2回試みるも失敗。ここも3rdダウンアウトで簡単に攻撃権を明け渡してしまう。

対照的に、波に乗る学園OFFLBに入っていた澤田の好パスカットがあったものの、学園の攻撃は止まらない。ランプレーでエンドゾーン近くまで攻め込んで、最後はあっさりとパスを通されてしまったのである。

道工 0−19 学園

これ以上、点差をつけられると厳しい道工。残り時間は2分少々。何とか1本でも取り返したい。

道工のリターンで試合再開。自陣35ydからの道工の2ミニッツOFFが開始された。

迎えた1stダウン。元気の無い道工OFFで、ついにあの男が、反撃の狼煙を上げる。

QB垂水からボールを受け取ったのはRB澤田。密集地帯をすり抜けると、DBを引きずりながら走る澤田。約30ydを稼ぐビックランは、ボールを学園陣30ydまで運ぶとともに、湿りがちだった道工OFFに流れを呼び込んだ。

これに続けと言わんばかりに、RB立花(#22)のラン、WR高野名のパス、そしてTEに入っていた山田(#5)のパスが立て続けに決まり、ボールは学園陣5ydへ。なんとしてでも1本欲しい場面。緊張が走る。

そして迎えた1stダウン、中央突破は鮮やかに決まり、エンドゾーン中央で、小さくガッツポーズをとるRB澤田がいた。‘05 MAD WOLVESの初得点は、2年生RB澤田のランとなった。

道工 7−19 学園

前半終盤での得点。後半に繋げたい。

この後、学園は攻撃を開始するも、2プレーでタイムアップ。

道工 7−19学園

試合は道工が12点ビハインドで、後半戦へと突入するのであった。

リーグ開幕戦。沢山の父母、OBの方々が応援にかけつけてくださいました。

秋季リーグ開幕戦、沢山の父母、OBの方が応援にかけつけてくださいました。道工の応援席は例年通り、スポッター席が応援席となっております。是非、皆さんで応援しましょう。よろしくお願いいたします。

今回も応援にかけつけてくださった方々の写真を掲載させていただきます。ありがとうございました。

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後半開始の第3Q。同点、逆転と持っていけるのか…

道工のキックで後半戦開始。学園は自陣35yd付近からの攻撃を開始。一刻も早く、追加点をとり、同点、逆転後半開始早々、流れを寄せるビックプレーが連発する。

ランプレーを二つ、小気味良くとめて迎えた3rdダウンの攻撃だった。

プレイアクションパスに気付いたのはDL安保(#46)。すかさずこれをQBサックに仕留めたのだ。湧き上がる道工。しかし、これで終らない。

翌4thダウンのパントキック。スナップミスでパンターがジャックルしている間に、プレッシャーをかける道工DEF。慌てて蹴るも、DL三谷(#53)がこのパントキックをブロックしたのだ。これにより、道工は学園陣10yd付近からの攻撃を開始することとなる。追加点に向け、沸きあがる道工、流れは完全にこちら側に傾きかけていた。

しかし、翌道工OFFの1stダウンで、OLに入っていた三谷が、痛恨のフォルススタートを犯してしまう。ボールは5yd下げられ、残りゴールまでは約15yd

結果、タッチダウンには至らなかったものの、フィールドゴールは決めた道工。なんとか追加点を決めたのであった。

道工 10−19 学園

追加点はとったものの、タッチダウンが欲しかったのは事実。点差と残り時間が少しずつチームに焦りを運んでくる。

道工のキックで試合再開。学園は自陣30ydからの攻撃を開始。

ここを3回の攻撃で学園を退かせ、勢いをもう一度呼び戻したい道工。しかし、ディフェンスは、未だ目を覚まさない。

学園OFFのホールディングの罰退にもかかわらず、あっさりとオープンのランで1stダウンを更新させてしまった道工DEF。50yd付近で迎えた2ndダウンの学園OFFだった。

ここでまたしても、学園OFFにロングパスを通され、タッチダウン。かと思ったこのプレーは学園のホールディング。胸をなでおろす道工サイド。しかし、それも束の間だった。

翌学園OFFのスクリーンパスが決まってしまう。LB山田(#5)がなんとかタックルをしたものの、ボールは道工陣10yd付近へ。結局、ここも我慢しきれなかった道工DEFはあっさりとパスでタッチダウンを許してしまうのである。

道工 10−26 学園

追加点直後の失点。道工はいまいち流れを引き寄せることが出来ない。

道工のリターンは、自陣35yd付近までボールを進めて攻撃再開。

疲労の見え出すOL陣は、学園DLをコントロールすることができない。3rdダウンの攻撃では、QBサックを浴びせられ、ここもまったく反撃の機会をつくれない。ここで一時、試合は膠着状態へ。

パンター垂水の好パントも手伝い、フィールドポジションは学園陣へと少しずつ攻め込まれる。学園陣15ydからの学園OFF中に、クォータータイムの笛がなる。試合は最終第4Qへと突入していくのであった。

運命の第4Q、道工は逆転勝利は可能なのだろうか…

第4Qは、学園OFFのパントキックで幕を開ける。道工は学園陣45ydからの攻撃を開始。まだまだ逆転可能な時間帯。まずは1本が欲しいところだった。

QB垂水(#9)はTEへのパスをチョイス。難しい球筋だったが、これをなんとか捕球したのは、山田(#5)に代わり、TEに入っていた安保(#46)だった。この安保の好捕球により、まずは1stダウンを更新する。

続けて行きたい道工だったのだが、この後が続かない。WR高野名(#84)へのパスが決まるも、これはノーゲイン。結局、これ以上の1stダウンの更新は出来ず、パントを蹴ることに。

このパントが、なんと学園陣5ydで止まる好パント。道工はこのフィールドポジションでなんとか試合を展開していきたい。

しかし、そんな思いを潰すかのように、学園OFFのランプレーが止まらない。1stダウンを2度、いずれもランで更新されてしまう。時間は無情にもどんどん過ぎていく。選手達も焦りの色は隠せない。

このピンチ。攻撃に、そしてキッキングにと、獅子奮迅の活躍のあの男が守備でも魅せてくれた。

学園OFFのプレイアクションパス。これをキャッチしたのはDBに入っていた高野名だった。インターセプトである。

しかし、これをタックル時にファンブルしてしまうも、1年生DBの岡本(#20)がファンブルリカバー。タックラーを一人、二人かわし、10ydのリターンをみせたのだ。道工は学園陣45yd付近からの攻撃を再開。残り時間は4分少々。

道工OFFはパスを3回、しかし、全てがインコンプリートに終ってしまう。迎えた4thダウン、QB垂水はギャンブルを敢行。

TE安保に向けて放たれたパスは、無情にもフィールドを転がった。ターンオーバーである。

学園の攻撃は、勢いを増す。ランで1stダウンを更新すると、次はロングパス。ボールはなす術無く、簡単に道工陣へ。

結局、この後簡単にオープンのランでエンドゾーンを割らせてしまったのである。

道工 10−32 学園 

道工の息の根を潰すダメ押し点。道工、なんとか一矢報いて欲しい。

学園のキックで試合再開。なんとか1本でも返したい道工は、時間の浪費を防ぐかのようにパス主体の攻撃が続く。

WR高野名へのパスが決まり、WR日光(#82)へのパスもテンポ良く決まる。選手達はまだ、あきらめていない。

そうして放たれたロングパス。このボールはゆっくりと学園DBの胸へとおさまった。

無情のインターセプト。ここで事実上のゲームセット。

残りの時間を学園OFFに使われてしまった。タイムアップの笛が、円山競技場に鳴り響く。

道工 10−32 学園

‘05 MAD WOLVESの挑戦は厳しい黒星発進となってしまった瞬間だった。

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「練習で出来ていたことが出し切れず終ってしまった結果です。完敗でした。次戦まで短い期間ですが、それぞれ考えて行動に移していかなければならない。」
OFFキャプテン  高野名 航
「試合を通じ、流れをうまく持ってこれなかったのはディフェンスの責任です。ボールを奪う、相手を追う。そういう当たり前の姿勢も見られない場面が多々、見られた。こういった姿勢を変えなければ、これから先も無いでしょう。落ち込んでいる暇はありません。1戦1戦、全力を尽くしてやるだけです。」
DEFキャプテン  佐藤 洋

「今回の試合、良い所以上に、悪いところが多かった。良いフィールドポジションを維持できなかったのはキッキングのせい。OFFDEFに迷惑をかけてしまった。次の試合までに早急に改善していかなければならない。」

KICKキャプテン  安保 圭介
「リーグ初戦を勝利で収めたかったのは事実、とても厳しいスタートとなってしまいました。試合内容は完敗。これを引きずるのではなくて、次に向け、早くチームを立て直すことが、今、自分達がしなければならない事だと思っております。」
主将  尾越 仁壽
「試合を通じて、自分達のリズムで試合を運べなかったのが敗因の全て。OFFDEFKICK、全てがバラバラだった。シーズン中とはいえ、チームを立て直すのが急務。そしてそれが出来るチームだと思っている。悩んでいる暇は無い。」
監督  高橋 優和

       敗戦に浸っている暇は無い。来週の相手は、小樽商科大学トマホークス…

敗戦にうつむく選手達を、午後の日差しが照りつける。

開幕戦第2試合の北海道大学対北海道医療大学戦を尻目に、控え室へと帰っていく選手。ケガを引きずりながら帰っていく選手達。見ていてなんとも痛々しい。

「北海道リーグ優勝」を掲げ、辛い練習にも耐えてきた選手達。初戦での敗戦ということもあり、ショックは大きい。

しかし、本当に悩んでいる暇は無い。次戦まで残された時間は、わずか1週間。自分達がどうするか、どう動くかが鍵となるのは必至である。

現状にとどまるな。うつむくな。前進しよう。

優勝の目標が潰えた訳ではない。残るチャンスは4試合。

来週、笑顔でタイムアップを迎えよう。

(高橋優和)
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